世界14都市「手残り比較」ファクトチェック

検証日:2026年9月2日。対象は元の比較表です。赤字は、元ページと異なる事実・または正しいと確認できない数値です。

結論

要修正 元ページの手残り額は、税額計算の入力・式・根拠URLが残されておらず再現不能です。さらに、2026年制度との明確な不一致と、居住資格を混在させた比較があります。したがって、全168個の手残り額を「ファクトチェック済みの正確な数値」として利用することはできません。

明確に誤っている箇所:シンガポールで外国人にもCPFを控除、NZで旧年度のACC 1.67%・KiwiSaver 3%を使用、米国を「4都市」と記述(実際は6都市)しています。

重要:赤字セルだけを機械的に直せば済む表ではありません。年収が「会社負担込み総人件費」か「本人の額面給与」か、国籍・永住権・赴任形態・子の年齢を固定してから全行を再計算する必要があります。

確認できた相違点

地域元ページファクトチェック結果判定
全都市「1人が稼ぎ、配偶者と子1人を扶養」で一意に計算配偶者・子の年齢、申告区分、国籍・ビザ、給与の定義が未指定。税・社会保険加入は一意に決まらない。全手残りセルは未検証値
為替2026年9月2日の「実勢」と記載取得時刻・市場・各通貨の原データがなく再現不能。open.er-api.com は参考レートで、公的な税換算レートでもない。要出典
シンガポールCPF本人20%、上限年収10.2万S$、最大20,400S$を全ケースで控除外国人は原則CPF対象外。市民・永住者と、日本人駐在員を同じ行で扱えない。「年金相当」を任意積立として足すならCPFという名称・上限を使う根拠はない。前提矛盾
ニュージーランドACC 1.67%、KiwiSaver 3%2026/27のACCは1.75%(上限NZ$156,641)。KiwiSaver最低拠出率は2026年4月から3.5%。元表は旧年度。制度年度が誤り
米国「米国4都市」、家族医療費を一律US$10,800表にはNY、SF、Boston、San Diego、Kona、Honoluluの6都市。保険料は雇用主負担率、プラン、免責額で大幅に変わり、一律額は統計的根拠が示されていない。記述誤り+根拠不足
米国連邦税申告区分の明記なし夫婦合算申告(MFJ)か個別申告かで税額が変わる。2026年MFJ標準控除はUS$32,200、最高37%開始は課税所得US$768,700。式の提示がないため照合不能。再現不能
オーストラリア民間保険年A$5,400を計上し、Medicare surchargeを回避高所得世帯のMLS判定は家族所得と適格なhospital coverによる。A$5,400だけでは適格性も実費も確定せず、海外からの移住者はMedicare資格自体も別問題。資格条件不足
フランスN分N乗2.5、社会保険を概ね20%として給与額から控除家族係数の節税には上限があり、給与のgross/net imposableの定義、CSG/CRDSの課税標準、補足年金上限を個別に計算する必要がある。固定比率では高所得帯を検証できない。モデル不足
生活費・家賃各都市で固定額物件条件、データ取得日、標本数、光熱・交通・保育・車・税の包含範囲が不明。相場仮定としては使えるが「ファクト」ではない。仮定値
ハワイ島コナ「全部都心」の同条件比較Konaには東京・Manhattan等と同じ意味の都心120㎡市場がなく、集合住宅・戸建て・リゾート物件の選び方で比較値が変わる。定義不一致

元の手残り表に対する監査表示

下表は元ページの金額を再掲し、その下に検証状態を表示します。元ページに計算式と入力根拠がないため、全セルを赤字にしています。これは「全数値が必ず誤り」という意味ではなく、正しいと確認できないという意味です。

都市1000万1500万2000万3000万5000万7000万1億2億3億4億5億10億

元ページ記載の税額(万円/年)

元ページが税金と社会保障費を分けて開示しているのは、年収2,000万円と1億円のみです。下表はその記載額を再掲したもので、算式を追算できないため赤字を「未検証」としています。その他の所得帯は、合計負担率しか掲載されておらず税額だけを分離できません。

都市年収2,000万円年収1億円

元ページ記載の社会保障費等(万円/年)

強制加入の社会保険に加え、元ページが独自に置いた民間医療保険・年金相当額を含みます。国籍・在留資格・保険商品が固定されていないため、同じ名称でも都市間で制度的に同質な負担ではありません。

都市年収2,000万円年収1億円

正しい再計算表を作るために固定すべき条件

  1. 全都市で「現地税務居住者・現地法人の従業員・額面現金給与・配偶者無収入・子の年齢」を統一。
  2. 社会保険に入れない外国人は、民間医療保険と年金積立の具体的商品・金額を別列にする。強制負担と任意貯蓄を合算しない。
  3. 家賃は掲載物件の中央値、生活費は同一品目バスケットで取得し、URL・取得日・標本数を保存。
  4. 各国の現地通貨で税計算し、最後に同一時刻の為替で円換算。丸めは最後の1回だけ。

一次資料

米国IRS:2026年税率・標準控除 シンガポールIRAS:居住者税率 NZ IRD:2026/27 ACC保険料率と上限 NZ IRD:2026年KiwiSaver拠出率変更 英国HMRC:2026/27所得税率・控除 英国HMRC:2026/27 National Insurance 中国国家税務総局:個人所得税法 フランス税務当局:2026年所得税資料